Funeral songs

友達と、自分のお葬式で流したい曲の話になった。

私が昔から周りに「私のお葬式ではこれを流してね!」と言っていたのは、Liza Minelliの”Cabaret”だった。

人生はキャバレーなのよ
ワインを飲んで、音楽を聴いて
楽しまなくてどうするの!

そういう明るい感じは今でもすごく好きなのだけど、最近ではすこし刹那的過ぎるかなーという気もしていて、もっと他に流したい曲はないか考えてみた。で、その場で思いついたのが、Nina Simoneの”Feeling Good”だった。

自由で、力強くて、気持ちいい。これは、絶対流したい!

でも、ほかにも何かあった気がするんだなーと考えていて、さっき思い出した。

これだー!

Louis Armstrongの”What a Wonderful World”。

この歌の歌詞はどこも好きなのだけど、その中でも大好きなのが、後半の二節。

The colors of the rainbow, so pretty in the sky,
Are also on the faces of people going by.
I see friends shaking hands, sayin’, “How do you do?”
They’re really sayin’, “I love you.”

I hear babies cryin’. I watch them grow.
They’ll learn much more than I’ll ever know
And I think to myself
What a wonderful world

虹の色がうつくしく 空に映えて
ゆき過ぎる人々の顔も 照らしている
友人同士が握手して 「ごきげんよう」という時
ほんとうは 「愛してる」っていってるんだ

赤ん坊の泣く声が 聞こえる
成長していく彼らを 私は眺める
私がこの先の人生で知るより もっと多くのことを
彼らは学ぶだろう
そして 私は思う
世界は なんて素晴らしい

ここのところを聞くたびに、ちょっと泣きそうになる。

自分がいてもいなくても、世界は美しく、人々は愛を交し合い、子どもたちは多くを学びながらすくすくと育っていく。

愛と希望がいっぱい詰まっている、本当に美しい歌詞だと思う。

そして、自分の選曲を顧みて、私はパーッと明るく死にたいんだなーと思った。「いやー、いい人生だった!楽しかった!ワハハ!」とか言いながら、割と豪快な感じで死にたいのかもしれない。多分、根本的にそういう性質なのだと思う。

友達が選んだ曲はもっときれいで細やかでやさしい感じの曲で、それもすごく納得したので、こういう質問ってその人の心の本質が出るんだなあとしみじみ思った。

いろんな人に聞いてみたら、おもしろいかも。

『ニーナ・シモン~魂の声』

“What Happened, Miss Simone?”(『ニーナ・シモン~魂の歌』)を見た。

ニーナ・シモンの声と歌には、ほかにはない心を打つ力がある。同じ歌でも彼女が歌うとまったく違ったりする。

私は彼女の個人的な人生のことを全然知らなかったので、映画を見て新しく知ることがたくさんあった。時代に必要とされた人だったんだなとしみじみ思った。

インタビューの中で、一番印象深かったのがこのシーンだった。

「自由って何ですか?」と問われて、ニーナ・シモンは最初、「それは恋みたいなもの。恋に落ちたことのない人には説明してもわからない。それと同じで、自由も自分がそれを経験するまではわからない。でも、経験したらすぐにわかる」と答える。

そして、はっとしたように言う。

「私にとっての自由が何だか教えてあげる。恐れのない状態のことよ」

「人生の半分でもいい、その感覚を持つことができたら…」とつぶやくニーナの表情はすごく切実で、胸をつかれた。

恐れのない状態。なんて、的を射た表現だろう。

私たちの毎日は、本当にいろんな恐れに支配されている。そのほとんどは、こんなことが起こったらどうしよう、あんなふうにするんじゃなかった、あの人にどう思われただろう、とか、小さなどうでもいいようなことだけれど、その恐れの声がふと途切れた時、それがどんなに素晴らしい感覚かに気づく。

たとえば、大きくて圧倒されるような自然の中に身をおいた時。すごくきれいな風景を見た時。気のおけない人と過ごす時間の中で、ふと会話がなくなった時。

何も恐れないで、ただ自分がそこにいる。それが本当に「自由」ということなのだろう。私たちの多くは、そういう瞬間をできるだけ多く重ねようとしながら四苦八苦して生きているのだと思う。

プライベートではたくさんの恐れの中で生きていたニーナがステージに立って歌う時、観客は彼女がそこで感じている自由を分かち合った。

自分は苦しみ続けもがき続けていても、人は人に救いや愛を与えることができる。もちろん、自分がしあわせで、やさしさと愛に満たされていて、その光を周りと分かち合うことができる、それが理想的だけど、ニーナのような人を見ると、私はいつも人間ってすごいなと心から思うのだ。