大好きなカフェの話

チェンマイには、カフェがたくさんある。

6,7年前くらいまでは、まだあまりなかったそうだけど、私がはじめて訪れた2年前には割とあちこちにこだわりのカフェみたいなところを見かけた。今回は、その時よりも増えていて、ほんとにコーヒーの街という感じ。

とはいえ、どこでも美味しいわけではないので、通うところは大体限られてくる。

はじめて来た時に泊まった宿の近くで、すごく気に入ってしょっちゅう通っていたカフェがあった。wifiもないし、屋外だからかなり蚊に刺されるのだけど、バリスタのニコラがめちゃくちゃいい人で、ニコラがチェンダオの自分の村で育てて自分でローストしているコーヒーは本当においしくて、とても居心地が良い場所だった。座っているテーブルのすぐそこで、ニコラが豆をローストしているその匂いもすごく良かった。

そのうち、ニコラの彼女の日本人のかなこちゃんもチェンマイにやってきて、コーヒーを出したりお客さんの相手をしてくれるようになって、カフェはますます繁盛していた。私も、日本語でのおしゃべりができるのもまた楽しくて、やっぱり足しげく通っていた。

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今回も二人に会うのを楽しみに帰ってきたら、お店は旧市街の外に移っていた。今度はちゃんと屋内の、大き目の道に面したきれいなお店で、ご飯やシェイクもメニューに加わっていた。

これまでの常連さんで通い続けている人もいたし、朝ご飯を食べにくるはじめてのお客さんもいたけれど、今までよりも大きなお店を維持していくのは少し大変そうだった。何より、コーヒーを本当に愛しているニコラは、豆をローストする場所がないことがつらいみたいだった。

また、前のところみたいに繁盛するようになるといいな、たくさんの人にここのコーヒーの美味しさを知ってほしいなと思いながら、私もなるべく通っていたのだけれど、この間立ち寄った時、かなこちゃんが教えてくれた。

「あのね、1月20日でここを閉めることにしたの」

この場所でお店を維持していくのはお金もかかるし、美味しいコーヒーを出す、という本当にやりたいことに注力することができない。だから、まずはニコラの村に戻って家族の手伝いをしばらくした後、チェンダオの街でコーヒーだけを出すお店を始めることにしたのだそうだ。

私にとって、二人に会うのとここのコーヒーを飲みに来るのは、ほとんどチェンマイに来る理由のひとつみたいになっていたので、二人がいなくなってしまうのはすごく残念だった。でも、それが二人にとっていい選択であることは疑いなくわかったので、もう「よかったね!」というしかなかった。

山に囲まれたチェンダオの街の好きなだけ豆をがんがんローストできる場所で、本当にコーヒーが好きなお客さんだけを相手に、興味がある人にはコーヒーの淹れ方も教えたり、そんな暮らしの方が、ごみごみしたチェンマイの街中のお店に縛られているより、絶対に楽しいにちがいないし、私もちょっと遠いけど行ってみたいと思う。

チェンマイに来る理由がひとつ減ってしまったようで少し寂しかったけど、つまりは、チェンダオに遊びに行く理由が増えたということだ。

二人のコーヒーは本当に美味しいので、それによって、チェンダオが今よりももっと知られ始めるようになる日もそう遠くないのではと思っている。

あけましておめでとうございます。

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2016年は、チェンマイで迎えた。

日本の家族と離れての年越しは久しぶりで、一人で部屋でのんびりもありかなと思っていたのだけど、結局、友達が誘ってくれて、オシャレなエリアのバーに行ってきた。

いろんな国から来たいろんな年齢の人たちが、美味しい料理とお酒でご機嫌になって、音楽に合わせて踊って笑っているという、すごく気持ちのいい状態で新年を迎えて、だいぶ酔っぱらったタイ人のお姉さんにウォッカのショットを飲まされて、自分も結構くらくらしていた帰り道、まだ賑わっている大通りでは、人々がコムローイを上げていた。

空を見上げると、ふわふわ昇っていく、いくつものコムローイ。

あんな大きな紙の提灯みたいなものを街中で飛ばしたら明らかに危ないんだけど、それはとても幻想的で美しい光景で、お祝いの時にやりたくなっちゃうのは仕方ないよね、と思った。

部屋に戻っても、近所の音楽が午前2時過ぎまで鳴りやまなくてなかなか眠れず、睡眠不足とちょっと二日酔い気味で目覚めた一日の朝。

外に出てみたら、昨日までそこらじゅうに蔓延していた何となくざわざわとした空気がすっきりとして、晴れやかな感じになっていた。

市場の近くで、ちょうどどうしてるかなと思っていた友達にばったり会って、すごくかわいい彼を紹介してもらって一緒にご飯を食べ、別の市場に花を買いに行く途中、何となく裏の方にあるお店を見に行ったら、チェンマイに来てからずっと会いたかったけどなかなか会えずにいた地元の友達に偶然再会して、大喜びした。何だかとても嬉しいことばかりの新年のはじまりだった。

せっかくなので、その嬉しい気分のままと思って、これを書いている。

2016年が、希望と喜びにあふれた年でありますように!